収入保障保険の受け取り時の税金について調べてみた

収入保障保険は、毎月給料のように給付が受けられて遺族には便利ですが、税金のかかり方がちょっと複雑なので、このページで説明しておきます。

以前は二重課税問題がありましたが、裁判(平成22年7月6日の最高裁判所の判決)で決着がつき、平成22年10月に二重課税は解消されました

ネット上では古い情報も残っているので注意してください。
この記事は2014年11月時点の情報で書いています。

契約者と被保険者と受取人の関係でかかる税金が変わる

死亡保険の受け取り時の税金
収入保障保険に限らず、死亡保険では契約者(保険料を払う人)被保険者(保障の対象となる人)受取人が誰になるかで税金が変わってきます。

1.契約者:夫 被保険者:夫 受取人:妻

一番、シンプルで税金も安いのが、契約者も被保険者も夫で、受取人が妻のケース。

元々が夫のお金で支払っていたものになるので、保険金は夫から妻への相続扱いとなります。生命保険金には非課税枠があり、相続税にも基礎控除があるので、税負担はほとんどかからないはずです。

しかし、今後の税制改正で、基礎控除が現在の6割まで減るので、相続税がかかる人も増えてくるでしょう。

2.契約者:妻 被保険者:夫 受取人:妻

妻が契約者となって、被保険者が夫の保険の保険料を支払っていて、受取人も妻のケース。

これは妻が支払っているため、自分のお金が返ってくる扱いで所得税がかかります。
支払った保険料は必要経費にはなりますが、相応の所得税が課せられます。

3.契約者:妻 被保険者:夫 受取人:子

3つとも違う場合がもっとも損です。
妻から子への贈与税がかかってきます。税金が高くなるのでオススメできない加入方法です。

一般的には上の1の加入方法を選択する人がほとんどですので、下ではそれを前提に説明します。

死亡時に受け取りの権利(年金受給権)確定でかかる相続税

年金受給権確定でかかる相続税
収入保障保険をかけていた夫が亡くなった場合、保険金受け取りを毎月の年金としてもらうか、全額一括受け取りするかを選択できます。

一括で受け取る場合は相続税がかかるのは理解しやすいと思いますが、実は年金で受け取る場合でもその年金受給権に対して相続税がかかります

年金受給権の相続資産としての評価額は、解約一時金の金額と同じ、すなわち全額一括受け取りの場合と同じ金額になります。結局は相続税の対象となる金額は同じということです。

生命保険金には非課税枠が「500万円 × 法定相続人の人数」で計算される金額分あります。妻と子ども2人なら、1500万円が非課税枠となります。
さらに相続税には基礎控除額が「5000万円 + 1000万円 × 法定相続人の人数」で計算される金額分あるので、ほとんどのケースで相続税はかからないはずです。

しかし、2015年1月1日以降は税制改正により、基礎控除額が「3000万円 + 600万円 × 法定相続人の人数」に大幅に引き下げられます。相続資産が収入保障保険だけだと控除の枠にぎりぎり収まるケースも多そうですが、持ち家などがあれば相続税の支払いが必要になることも十分ありえます。

今後は、収入保障保険の一部を一括受け取りにするなどして、相続税支払いに対応する必要がありそうです。

年金給付にかかる所得税

年金給付にかかる所得税
毎月の年金として保険金を受け取る場合、一時所得として所得税がかかる可能性があります
以前は、支払った保険料をひいた金額すべてが一時所得となり、かなりの所得税が必要だったのですが、二重課税として裁判が行われ改善されました。

今は、すでに年金受給権に対する相続税として支払っている部分は除いて、残りの金額に対して所得税を決められた方式で計算します。

仮に、20年分×毎月20万円で総額4800万円の保険金を受け取る場合で考えてみましょう。

まず、最初に年金受給権として、全額一時受け取りに相当する4500万円分が相続税の対象となります。
(実際には非課税枠や控除で相続税の負担はほとんどないはずです。また一時受け取りの金額は説明のためのイメージです。実際のものとは違います)

そして、4800万円 - 4500万円 = 300万円が所得税の対象となる金額です。300万円を20年で決まった割合で分割して所得税を払うことになります。
結局、毎年の一時所得として見るとかなり少額になり、所得税が不要となる人も多いでしょう。

こうして見ると所得税の心配はあまりしなくていいと分かると思います。


収入保障保険の二重課税問題が解決して、税金の面のデメリットがなくなりました。今後は相続税がかかるかどうか気になる部分でしょう。

今回調査するなかでは、厚生労働省の以下の資料などを参考としました。

「相続等に係る生命保険契約等に基づく年金に係る雑所得の計算について」
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/101029/01.pdf

しかし、上記の情報とは違う古い二重課税の情報を載せているHPも多く、古い情報を焼き直した新しい日付のHPもあって注意が必要だと感じました。

誤った情報を基に判断することがないように、注意しましょう。

保険選びでは保険ショップを有効活用しましょう。