「掛け捨て」と「掛け捨てじゃない」保険は実質的に同じ?

「掛け捨て」はもったいない気がして、どうしても「掛け捨てじゃない」保険の方がよく見えてしまう……そんなことありませんか?

管理人もそんな風に考えていた頃がありました。

しかし、保険機能の面では実質的には同じなのではないかと思い、今回、調べてみました。

保険料は厳密な計算を基に決まっている

まず生命保険の保険料は、厳密な計算の基に設定されています。
ライフネット生命が公表して有名になりましたが、保険料は純保険料+付加保険料で成り立っています。

純保険料は、年齢別の死亡率の統計から導き出された数値でどこの保険会社でも保険商品でもそれほど変わりません

一方、付加保険料は保険会社の経費や利益に当たる部分で、会社ごと・商品ごとに大幅に違うと予想できます。
(公表されていないので、予想するしかできないのです……)

では、「掛け捨てじゃない」保険の場合はどうなのかというと、純保険料の中に満期保険金の分も含まれています

図で表すと以下のようになります。

「掛け捨て」と「掛け捨てじゃない」保険のイメージ

「掛け捨てじゃない」保険は「掛け捨て」保険に貯蓄部分を上乗せしているだけ

死亡率や付加保険料に違いがないとすると、「掛け捨てじゃない」保険は「掛け捨て」保険に貯蓄部分を上乗せしているだけとも言えないでしょうか?

保険会社の側から考えると、「掛け捨て」保険は、多くの加入者のうち少数の加入者への給付を前提として、利益が出るように設定されています。
100人が保険に加入しても、亡くなって給付を受け取るのは1名。その1名の分を100人で負担しようというのが保険のそもそもの機能です。
1000万円を1名に給付するために100人で10万円ずつ出し合うわけです。10万円の保険料は掛け捨てです。

一方で「掛け捨てじゃない」保険は、少数の給付と残り全員への満期金を確保しなければいけません。
1000万円を1名に給付するために100人で10万円ずつ出すのと同時に、自分に500万円が返ってくるなら、その分500万円も出しておかないといけません。
全体で考えると、1000万円+99人×500万円=50500万円を100人で割って、505万円の保険料となります。

「でも支払いより多くの満期金が返ってくる保険があるのはなぜ?」と思う人がいるかもしれませんね。
その理由は、保険会社がお金を運用しているからです。上の計算では、運用をまったく考慮していません。

銀行が預金を企業に貸して、利息を得ているように、保険会社も保険料をさまざまな手段で運用しています。株や債券はもちろんのこと、保険会社の名前の付いたビルが多いのは不動産での資産運用の結果です。

それらの運用を見込めるから、支払った保険料以上の返戻金を約束できるのです。
(景気のいい頃の保険は運用益を見込みすぎて、保険会社にとっては赤字となっているものもあります。)

同じ保険会社の商品で比較してみた

実際のところどうなのか、アクサダイレクト生命の掛け捨てじゃない「カチッと終身保険」と掛け捨ての「カチッと定期2」で比較してみましょう。

「カチッと終身保険」で60歳払込満了・保険金1000万円・33歳男性で試算してみると、月額保険料は21,520円となります。
満了時の解約返戻率は110.4%だそうです。
単純に27年間×12ヶ月の保険料を計算すると、6,972,480円です。
これに解約返戻率をかけると、7,697,617円の解約返戻金となります。

一方で、「カチッと定期2」を60歳満了・保険金1000万円・33歳男性で試算してみると、月額保険料は2,740円となります。
単純に27年間×12ヶ月の保険料を計算すると、887,760円です。

死亡保障にあてられる保険料はどちらの保険も887,760円と仮定してみると、カチッと終身保険の方は、
6,972,480円-887,760円=6,084,720円を貯蓄部分に回していたことになります。
これが、7,697,617円になったわけなので、実質的な解約返戻率は126.5%を超えていることになります。

27年で単純に割ると、年率4.68%程度の利回りとなります。
保険料の払い込みタイミングや複利運用が関わってくるので、正確にはもっともっと複雑な計算になりますが、なんとなく違いが感じ取れたのではないでしょうか?


今回、計算してみて、やっぱり貯蓄型の保険は掛け捨てに上乗せされているだけだなと実感しました。
自分で資産運用できる人なら、保険会社に任せる必要はない程度のリターンです。

「掛け捨てじゃない」からお得という思い込みを払拭するきっかけになれば幸いです。

保険選びでは保険ショップを有効活用しましょう。